よく、各種メディアが「住みたい街ランキング」の特集記事を組んでいます。これは、マガジンやフリーペーパー、不動産会社の情報誌の定番特集です。
ここで、メディアが特集する「住みたい街ランキング」と「自分が住みやすい街(町)」について考えてみたいと思います。
住みよさランキング2013
例えば、東洋経済オンラインは毎年住みよさランキングを発表しています。
「住みよさランキング2013(総合評価)」トップ50 [出典] 東洋経済オンライン
印西(千葉)
野々市(石川)
守谷(茨木)
坂井(福井)
本巣(岐阜)
長久手(愛知)
みよし(愛知)
鯖江(福井)
砺波(富山)
福井(福井)
美濃加茂(岐阜)
日進(愛知)
かほく(石川)
成田(千葉)
東海(愛知)
鳥栖(佐賀)
下松(山口)
敦賀(福井)
能美(石川)
魚津(富山)
草津(滋賀)
つくば(茨城)
桑名(三重)
射水(富山)
芦屋(兵庫)
箕面(大阪)
白山(石川)
中央(山梨)
守山(滋賀)
生駒(奈良)
名取(宮城)
豊明(愛知)
合志(熊本)
滑川(富山)
三田(兵庫)
弥富(愛知)
土浦(茨城)
白井(千葉)
東根(山形)
栗東(佐賀県)
御前崎(静岡県)
宝塚(兵庫)
駒ケ根(長野)
加東(兵庫)
香芝(奈良)
黒部(富山)
御殿場(静岡)
高岡(富山)
柳井(山口)
これは、あくまで東洋経済オンライン独自の評価方法によって導かれているランキングです。
ランキングは参考程度
この「住みよさ」の判断基準には人の主観が大きく入り込むもので、性別や年齢、性格、好みによっても違いがあります。
例えば、学校を卒業したばかりの新社会人は田舎より断然、都会で生活したいと思うでしょう。
大自然に囲まれた町の新社会人の目に映っている故郷は、それほど魅力的ではないかもしれません。逆に、都会生活を続けてきた中年の中には、もうお腹いっぱいという心境の方もいるでしょう。
また、人混みや夜のネオンが大好きな人もいれば、反対に吐き気がする人もいます。頭脳明晰で学歴が高い人や神経症を患っている人の中には、人混みが大嫌いな人が結構いるようです。
スローライフの静岡県御前崎市
ちなみに、静岡県の御前崎市が上記ランキングにランクインしています。
御前崎市は、浜岡原子力発電所と釣り人が集まる御前崎港、国道150号線沿いに点々とチェーンスーパーマーケットやコンビニ、飲食店、釣り道具店があるくらいで牧歌的なエリア。
静岡県掛川市を通る150号線から御前崎灯台にかけては、アメリカの西海岸を彷彿とさせる道路。
何故、御前崎市がランキングしているのか理解し難いものの、釣り人とサーファーにとって御前崎市はいい町なのかもしれません。
あと、御前崎市はスローライフを楽しみたい人に向いたエリアなのかもしれません。御前崎市はアメリカのオレゴン州Newport(ニューポート)のような空気が流れています。
いずれにしても、この手のランキングは自分の価値観に当てはまらないこともあるため、参考程度に留めておけばいいでしょう。第三者の意見が何であれ、自分が気に入った街(町)が自分にとって住みやすい街(町)ではないでしょうか。
自分が住みやすい街とは?
電車で移動が難しい地方圏では、自動車やバイクでの移動が基本。地方圏では、1km先のコンビニへ行くのにも自動車を使うため、とにかく家を出たら自動車で移動するのが常識。
他方、大都市圏は公共交通機関が充実しているため、徒歩か電車で移動するのが普通。
そして、1~2km程度の移動であれば、自転車が活躍します。電動アシスト自転車が都市部でヒットしてきたのは、このような都市構造と大きな関係があるのでしょう。
利便性が高い場所に住んでいれば、近場への用事は徒歩か自転車で済むのです。
ランキングの常連エリア
大都市圏で生活する場合、上記のようなランキング特集は、あくまで参考程度。何故なら「住みたい街」と「住みやすい街」では大きな隔たりがあるからです。
東京ならば、吉祥寺、恵比寿、品川、新宿、自由が丘、池袋、表参道、中目黒、代官山、中野、北千住、荻窪、三軒茶屋あたりは、毎年のように「住みたい街ランキング」の常連エリア。
これらは人が集まるエリアで、話題が多くおしゃれな店が多いことから、ランキングの上位を占めているのでしょう。自由が丘はスイーツ店が軒を並べる女性の聖地なのか、街のプロデュースはとても上手だと思います。
しかし、自由が丘に住んだところで毎日、朝昼晩とスイーツを食べるわけではありません。
代官山はブティックや洒落た店が立ち並び、クリエーターやデザイナーが好むイメージがあります。しかし、代官山は急な坂道が多く、住人は食料品の買い出しのために明治通りのライフまで行くのでしょうか。
メディアが作り上げた街のイメージは極力、生活臭を感じさせないようにしています。
デザイナーであろうとパティシエ、html, css, phpエンジニアであろうと、毎日、飲料水と食料品が必要。更に、「住みたい街」ランキングで上位を占めているエリアは家賃相場が割高です。
生活に密着した店舗
生活に一番密着した店はスイーツでもアパレルでもカフェでもなく、スーパーマーケットであり、惣菜店、八百屋、魚屋、肉屋、生活雑貨店、ドラッグストア、飲食店等。
これらの店で扱っている商品は、店舗販売に向いている物ばかり。通販が社会に浸透している今日、これら以外の商品はネットで購入してもいいのです。
また、高齢化社会が急速に進む日本において、高齢者にとって個人病院や整体院、歯科医院が近くに立地していた方が何かと便利。
現実的に大都市圏で「住みやすい街」とは、それらが自宅周辺に立地している街(町)だと思います。
あと、管理人はAmazon.co.jpで本を買うことはありますけど、それでも書店が近くに立地していることを望みます。Amazonのレコメンドエンジンは優秀ながら、それでもリアル書店のメリットも数多いと思います。
リアル書店では、本をパラパラとめくって内容を確かめたり、意外な本に出くわす楽しみがあります。
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