21世紀は個の時代とも言えます。
この個の時代を加速させてきたのは、インターネットと高速通信回線の普及。そして、スマホ。これらにより、社会そして会社の在り方、組織、個の在り方が大きく変化してきました。
マイクロソフトのWindows95が誕生するまで、一部マニアの間でパソコン通信なる閉じたネットワークが存在していました。
しかし当時、これは一部の世界の通信システムであって、一般社会に開かれたものではありませんでした。その後、Windows95の登場により、社会のシステムが急速に変化し始めました。
20世紀の大革命
そもそも、インターネットは軍事技術をベースにしたネットワークシステム。URLに含まれる”www”は、ご存じのようにWorld Wide Web。
地球上の全サーバーをネットワークで繋げることで、あらゆる情報の共有と送受信を可能とした、20世紀の大革命と言っていいでしょう。これは18世紀から19世紀にかけて起こった産業革命と同等かそれ以上の革命に匹敵するものです。
この革命によって、急速に変化の波が押し寄せてきたものの、この変化の根本理由に気が付いていない、あるいは理解できない中高年が結構多いのです。
インターネットの黎明期
2000年あたりからの10年間はインターネットの黎明期でもありました。順番として先にインターネットテクノロジーが構築され、後追いのかたちで通信回線の高速化が進んできました。そして、高速通信回線の普及により、情報のクラウド化が浸透しました。
私とほぼ同世代の方々と接すると、時として違和感を抱くことがあります。その理由として、「ネットは、実態が無い世界であるからビジネスでは無い。」という考えに支配されている人が未だに多いのです。
見えない革命
さて、産業革命の時代、生産工場が次々と建設され、煙突から煙が立ち込めていました。だからこそ、当時は、誰が街を見ても大きな変化に気づいていたはずです。
ところが、インターネットと高速通信回線が普及しても、街中の様子はたいして変わらないし電柱にぶら下がっている電話線の数が急増しているわけでもありません。オフィスにパソコンが並んでいるくらいで、彼らの目に映っている実態はたいして変わっていません。
この20世紀から21世紀にかけて勃興とも言えるインターネットの社会への浸透は「Invisible Revolution/見えない革命」とも言えるでしょう。
食べログ、価格.com、クックパッドは製造業、販売業、物流業でもありません。これらはインターネットだけで完結しているサービス業であり情報提供業。バーチャル企業とも言えますけど、価格.comやクックパッドは東証一部の上場企業です。
価格.comもクックパッドも一部上場企業であるものの、製造業のように膨大な数の社員を抱えているわけではありません。そもそもIT系ビジネスは工場で物を作り、現場で販売するといった概念が無いため、パソコンとインターネット回線さえあればできる仕事が多いです。
ワードプレスのようなCMSならば、記事内容の更新作業のためにいちいち会社へ出勤する必要もありません。
ネットの世界は細かな仕事を請け負っているフリーランサーやSOHOが多く、彼らとのコラボレーションによって1つのプロジェクトを立ち上げていくようなビジネススタイルが増加しました。
業種にもよりますけど、時代と共にビジネスサイクルが短くなり、今日では1つのビジネスモデルが10年もてばいい方だと言われます。これは社会環境の変化がスピードアップしているからに他ならないのです。
神田昌典氏の書籍にも書かれていて、このような背景から会社が社員を採用して特定分野のプロとして育て上げていく時間的余裕が無くなりつつあると思います。一社員がプロになる前の時点で、もう事業部または会社をたたむ時期に入るケースもあるからです。
昭和の時代から平成初期にかけて、大きくなっていった企業がピラミッド組織を作りながら、多くの下請け企業を抱えることで、城下町的な仕組みが出来上がっていきました。
そのような事業体は、国民全体が貧しい状態から経済発展の波に乗っていく成長期でよく見られました。
しかし、製造業を筆頭とした巨大な企業群は人件費の安さを求めて、アジア諸国に製造拠点を移していきました。それと同時進行するかたちで広がりを見せているのが、個のネットワーク。
ピラミッドの時代から個の時代へ
IT関連は初期投資が小さくて済むという大きなメリットがあります。
もし自分が事業主であるならば、ホームページ制作会社や広告代理店、フリーランサー、SOHO事業主、物流企業といった各分野のプロフェッショナルたちと組むことで、比較的短期間でビジネスの構築が可能です。
今まで、一般社会の中で仕事を外に出すことを「外注」と呼んでいましたが、個の時代においてこの言葉は適切ではないと思います。
個のプロフェッショナルたちは、全てFree Agent(フリーエージェント)。フリーエージェントたちがインターネットを介して繋がりを持つ時代が始まっている今日、フリーエージェント時代が既に始まっていると言えます。
ここでフリーエージェントの前に立ちはだかる大きな壁はマーケティング。私自身、ビジネスの立ち上げ初期の頃、マーケティングでかなり手こずった経験があります。
マーケティング活動の一つとして、自社Webの制作に関してはそれほど難しいことではありません。これは、お金と時間をかければウェブ構築は可能です。もちろん、代表者が時間をかけてコツコツとCMS系のサイトを構築してもいい。
そこでファーストステップは完了ながら、ウェブサイトが完成したからといって、その時点では陸の孤島状態。これはインターネットという広大なサハラ砂漠の中に事業所を作ったような状態。周囲に誰もいないし、クルマもバスもトラックも見えない。
次のステップでは、ウェブをアクティブにしていくウェブマーケティングが必要となります。ウェブマーケティングは従来よりメジャーな方法としてPPC広告、SEO、SNS。
[PPC広告]
PPCはPay Per Clickの略でクリック課金型インターネット広告。インターネット上への広告掲載に対してコストがかからず、広告がネットユーザーにクリックされた回数分だけ費用が発生する広告。
(長所)
広告の即効性が高い。
(短所)
ビッグキーワードと呼ばれるようなキーワードを選定して広告を出すと、入札制のため1クリックあたりの単価が高くなる傾向がある。
[SEO]
SEOはSeach Engine Optimizationの略で検索エンジン最適化。Yahoo!の検索エンジンはGoogleを採用し、検索結果を一部フィルタリングしているものの、検索結果はほぼGoogleと同じ。
(長所)
直接的な費用は発生しないものの、人的なコストが確実にかかる。
(短所)
SEO対策を始めても、効果が出てくるまで時間が必要。長期的な対策が求められる。
[SNS]
SNS/ソーシャル・ネットワーキング・サービスは急速に普及したメディア。言わずと知れた、Facebook、Twitter、Google+、ameba等。
(長所)
フリーでサービスを利用できる。
それぞれ一長一短があるため、自分のビジネスモデルに最適な方法を見つけ出していきたい。
いずれにしても、マーケティングは刻一刻と変化していくものであるから、半年、1年前に通用していた手法が陳腐化してしまうことは珍しくありません。
私自身、常に最新情報にはアンテナを立てているつもりながら、1人が収集できる情報というものには自ずと限界があります。素直な気持ちで他者の考えに耳を傾けることは大切ですし、日々精進あるのみ。
このマーケティング手法はユニークで参考になりました。
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