広告は事業体が提供する商品やサービスを幅広く認知させてブランドイメージを高め、販売や集客のために使われています。
広告業の歴史は長く、その中でも、新聞広告の歴史は長いのです。新聞は毎日、各家庭や企業に配布される鉄板の情報源であり、その立ち位置は揺るぎないもの。
紙媒体やラジオにビジネス広告を出す場合、広告代理店に依頼する必要があります。大企業がテレビCMを出す場合も広告代理店に依頼しています。
他方、インターネット上に広告を出す場合、Google広告やYahoo! Japan広告、Facebook広告(Instagram広告)が代表的です。
ここで、従来のアナログ広告とデジタル広告を比較しながら、改めて広告を深掘りしてみます。
アナログ広告の今
新聞以外に雑誌、タウン誌、ミニコミ誌を含めると、膨大な数の情報誌が世の中を飛び交っています。発行部数の多いメディアほど、それだけ幅広く広告効果が期待できる傾向はあるでしょう。
しかし、インターネット、そしてスマートフォンの普及により、従来のメディアそのものの在り方が大きく問われています。
一般財団法人、日本新聞協会のデータによると、
2000年の新聞発行部数は53,708,000部
2012年は、47,777,7000部
2017年は、42,128,000部
雑誌の休刊、廃刊が相次ぎ、出版不況と言われて久しいのは言うまでもありません。
広告主のためのメディア
各種メディアは広告主のために存在しています。
新聞も民間テレビも民間ラジオ、雑誌、タウン誌、ミニコミ誌も全て広告主のために存在しています。広告主の意向にそぐわないメディアは役立たずのため、自然淘汰されていきます。
広告費に余裕のある大企業は別として、日本国内の99.7%の中小企業が豊富な広告費を持っているでしょうか?
テレビCMのようなイメージ広告はお金持ち会社に任せて、ほとんどの会社は確実に広告費を回収していく必要があります。
広告効果の計測
テレビ、ラジオ、ペーパーメディア、看板の最大の欠点は何でしょう?
それは、アナログ媒体は広告効果を厳密に計測できない、または、計測しにくいところです。
アナログ媒体の場合、いつ、誰が、どこで広告を見て、聞き、会社に問い合わせする、あるいは商品やサービスを購入したのか計測が難しいのです。アナログ広告の致命的な欠点はこれなのです。
例外として、賢い通販会社はそれに対策を施しています。
広告効果を計測できないということは、広告によっては、広告費の垂れ流しに近い状態が続きます。
例外として、有名企業はブランドイメージと商品の認知度を高めるために、イメージ広告を多く出稿します。アパレル業界の広告も、美しい写真の片隅にポツンと小さく会社の住所や電話番号が印刷されています。
これは、商品の認知度とイメージを高めるブランディング。
本来、広告というものはターゲットを見定めて、小さなテストマーケティングを何回も繰り返し、広告精度を高めていく必要があります。広告精度が高まるほど、費用対効果が高まり、超優秀な営業マンになっていきます。
反対に、10万円の広告費を出しても、商品やサービスが20万円、30万円売れて広告費を回収できなければ無意味な赤字広告なのです。
その広告効果の計測が難しく、売上に変化が無ければ、ある意味お布施としか言いようがないのです。
テレビの視聴率
インターネットとスマホの普及により、テレビの視聴者が減少傾向にあります。
管理人自身、テレビを見る時間がめっきり減りました。周りを眺めても、これは確実に言えるでしょう。管理人がテレビを見るとしても、ニュースと特別番組、NHKくらい。人によっては、ネット検索やYouTubeを視聴している時間の方が長いと思います。
そして、日本人の雑誌の購入頻度も減っているのではないでしょうか。
広告主にしてみれば、従来のテレビCM、ペーパーメディアは広告媒体としての価値が揺らぎつつあると言えます。
ちなみに、管理人の今までの経験上、ペーパーメディアにこだわる人がいました。そのような人は実務経験が無く、実際に広告を出したことが無いか、広告の効果を知らないのでしょう。
また、管理人が知る、社員数10人以下の会社の経営者がテレビCMを出していました。その他、イメージ広告も出していました。費用対効果を計算したら、まず赤字広告なのです。
管理人はかつてテスト的に何度か雑誌に広告を出稿した経験があります。ラジオ広告の経験もあります。結果として、それらはすべて「お布施」に近いものでした。
デジタル広告よ、今日もこんにちは
従来のアナログ広告メディアの衰退に対して、毎年、明らかに伸びているメディアはGoogle広告、Yahoo!プロモーション広告、Facebook広告に代表されるインターネット広告。
ネット広告のメリットは数多いと思います。それでは、いくつか書き出してみます。
・事業者が広告代理店を通さず、直でネット広告を出せる。あるいは、リスティング広告代行会社に広告出稿を依頼できる。
・ネット広告の各種設定画面で必要事項を入力すれば、迅速に広告を出せる。一時停止も簡単。
・ターゲットの性別、年齢、広告出稿エリアなどを細かく設定できる。
・自社のお問い合わせページや販売受付完了の画面に特殊なタグを埋め込むことで、広告効果を測定できる。
・日々の広告費を自由に設定できる。
・Google広告のディスプレイネットワークと検索ネットワークの違いを理解することで、更なる広告戦略を立てることができる。
他にも、メリットはあります。
逆に、インターネット広告の欠点として、複数の同業者が同一キーワードでPPC広告を出すと、クリック単価が上昇しやすい問題はあります。一部のキーワード単価は高騰を繰り返してきた経緯があります。なお、これを回避する方法はあります。
広告の出稿レスポンス
広告というものは、出稿のレスポンスがとても大切。
例えば、イタリアン・レストランのシェフが夏向けに急遽、新しいメニューを用意したとしましょう。シェフは1日も早く広告を出したいはず。もちろんインターネット広告なら、当日に設定ができます。
ところが、マガジン広告の場合はどうでしょう?
月刊誌に広告を出稿する場合、最低でも数ヶ月前から準備に取りかかる必要があります。夏号に広告を出すならば、春の時点で広告の準備に取りかかる必要があるのです。
よって、マガジン広告の場合、どうしてもタイムラグが生じてしまいます。
まとめ
インターネット広告は日々進化を続け、実質、Google広告がネット広告の世界を牛耳っています。しかも、Google広告の経営方針は外資系企業にありがちなガリガリの短期利益追求型とは異なります。
Googleは民主主義的な思想を持ち、Googleユーザーにメリットを見いだせない広告であれば、Googleは広告出稿を拒絶することもあります。
あくまでGoogleの基本理念は「Googleユーザーにとって利便性の高い快適な検索結果と広告表示を提供する」というもの。
今後、確実にインターネット広告が伸び続け、従来のアナログ広告の活用方法が問われるのではないでしょうか。
コメント