自動車を維持管理していく上で、エンジンオイルの交換は重要な意味を持ちます。オイル管理がずさんだと、間違いなくエンジンに悪影響を及ぼします。
数千円程度の費用をケチってエンジン内部に重篤なトラブルが発生してしまったら、当然の如く数千円で修理は不可能です。
YouTubeを含めたネット界では、整備工場や整備士が発信している情報が数多くヒットします。彼らのオイルに対する考え方として、「早めの交換」でほぼ一致しています。
ただ、具体的なオイル交換のインターバルに関しては、意見は様々なようです。
そこで、オイル交換のサイクルとして車の取扱説明書が一つの目安になります。
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エンジンオイル交換の頻度は取扱説明書を参考に
管理人の場合、自動車の取扱説明書、または整備手帳のエンジンオイルに関する説明を確認します。そして、その中に「シビアコンディション」という項目があります。
シビアコンディションとは、自動車が一般的な使用条件よりも厳しい条件で使われる場合の特例。自動車の使用環境がシビアコンディションに該当する場合、その指定サイクルの範囲内でオイルを交換すればいいのです。
シビアコンディション
シビアコンディションの基準とは、概ね次のような内容。
・悪路走行が多い
・走行距離が多い
・山道の走行が多い
・短距離走行の繰り返し
・高地での走行が多い
軽自動車やコンパクトカーは、片道5分~10分程度の短距離走行を繰り返すシーンが少なくないと思います。このような走行パターンでは、エンジンオイルが温まらないうちにエンジンOffを繰り返します。
このような使用環境はシビアコンディションに該当します。
日本国内において、普通車を含めてシビアコンディションに該当する車両がかなり多いのではと思います。
女性が運転する車は買い物や送迎等の短距離走行が多い傾向があるため、多くはシビアコンディションに入ると考えていいと思います。
エンジンオイルのガソリン希釈
コールドスタート(冷間始動)時、インジェクションから濃いめの燃料がシリンダー内に噴射されます。その時、エンジン内の各パーツのクリアランスは大きめ。また、短距離走行の繰り返しでは、エンジンオイルの温度がなかなか上昇しません。
このような走行パターンの繰り返しにより、エンジンオイルのガソリン希釈(きしゃく)の問題が出てきます。
これは、ガソリンがエンジンオイルに入り込み、オイルの粘度低下によって劣化が進んでしまう現象。
高級な化学合成オイルでも、これを避けることができません。このような使用環境下ではシビアコンディションに該当するため、早めのオイル交換が必要です。
車種によってシビアコンディションの内容に違いがあるため、詳しくは取扱説明書で確認できます。
取扱説明書で基準となるオイル交換サイクルが仮に15,000kmならば、シビアコンディションに該当すると、その約半分の7,500km毎の交換サイクルが推奨されています。10,000kmならば、その半分の5,000km。
管理人は今まで車種にもよるものの、約5,000km毎にエンジンオイルを交換してきました。
直噴ターボエンジンの場合、すすによりエンジンオイルが汚れやすい傾向があります。いい意味で取説を無視して、オイル交換サイクルを短くした方がいいと思います。
オイル粘度に注意
エンジンの種類に合った指定オイル粘度を守る必要があります。これは、取説に書かれています。
ここで、粘度をわずかに硬くする分には多くの場合は問題ありません。
(一例)
指定オイル粘度5W-30
↓
10W-30・・多くの場合OK
ところが、指定粘度より柔らかいオイルを入れると、エンジントラブルの原因となるため注意が必要です。
(一例)
指定オイル粘度10W-30
↓
0W-20・・ダメ!
「0W-20」という粘度のエンジンオイルはハイブリッドカーが誕生してから随分増えました。これは、ハイブリッドカーやエコカー専用のエンジンオイル。
例えば、トヨタのオフィシャルサイトを閲覧すると、普通のガソリンエンジン車でもオイル粘度の指定が「0W-20」や「5W-30」の車両が見られます。
時代と共に燃費を重視してエンジンも最適化設計され、オイル粘度が柔らかくなっています。
従来の常識では「0W-20」という柔らかなオイルで大丈夫なのか心配になるものの、取扱説明書で書かれている以上は問題ありません。
なお、オーナーがスケベ心を出して、従来のエンジン車両(指定オイル粘度10W-30 or 5W-30)に「0W-20」のような柔らかいオイルを入れると、エンジントラブルを引き起こす可能性があります。
以前、管理人が某カー用品チェーン店で普通のNAエンジンに「0W」オイルを勧められて驚いたことがあります。
ハイブリッドカーやエコカー専用の低粘度エンジンオイル、そして、欧州の過給機付き直噴エンジン用の100%化学合成オイルは液体状のエンジンパーツの1つと考えた方がいいでしょう。エンジンとそれにマッチするエンジンオイルで本来の性能を発揮できるわけです。
省燃費オイル
よくオイル缶に省燃費オイルという表示を見かけます。これは、厳密なベンチテストでは省燃費が認められている物と解釈すればいいでしょう。
カストロール エンジンオイル POWER1 4T 10W-40 4L 二輪車4サイクルエンジン用部分合成油 MA Castrol |
管理人は今まで数えきれないほどオイル交換を繰り返してきました。
ところが実際、省燃費オイルを使用しても、燃費面で特に変化が見られないことがほとんど。その中で、いつもどおり純正エンジンオイルに交換しても、少々、高級なオイルに交換しても燃費が良くなった記憶がありません。
燃費が多少変化しても誤差の範囲内。
新油や高級オイルを使用しても、機関各部のフリクションロスやタイヤの転がり抵抗、空気抵抗等によってメリットが相殺されてしまうのでしょう。
エンジンオイルの真相は、その道の化学のエンジニアではないと理解できない世界。ただ確実に言えるのは、標準クラスのオイル性能が一昔前より、随分底上げされていると解釈していいと思います。
鉱物油は特別な物ではない
ネット界にはオイルマニアが多いのか、エンジンオイル関して非常にナーバスな意見が散見されます。
確かにスポーツ走行やモータースポーツの世界ではエンジンオイルの重要性が高まります。スポーツ走行では油温が上昇するため、特に鉱物油は劣化が進みます。
しかし、それ意外の一般走行において、管理人は純正オイルやそれに準じた標準オイルで十分だと考えます。
そもそも鉱物油は特別高級な物ではないし、拝んで有り難がる物でもありません。アメリカのホームセンターでは有名ブランドの鉱物油でも、1クオート(946ml)あたり1ドル前後。
カストロール エンジンオイル GTX 10W-30 20L 4輪ガソリン/ディーゼル車両用スタンダードオイル (鉱物油) SL/CF Castrol |
原油を精製する過程で上から、
・LPガス
・ガソリン
・ナフサ
・灯油
・ジェット燃料(ケロシン)
・軽油
・重油
・アスファルト
・コークスが出来上がります。
鉱物油は、かなり下の方の生成物。
勿論、鉱物油を製造する過程で各種添加物の配合等の複雑なプロセスがあります。
それでも、ガソリン(53.8円/Lの税金を含む)や軽油、灯油の小売価格に比して、日本市場における鉱物油の小売価格が非常に高いことが分かります。
エンジンオイルの交換時期
エンジンオイルのブランドに拘りがあったり、スポーツ走行するオーナーを除いて、一般的な走行では標準クラスの純正エンジンオイルを定期的に交換すれば問題はありません。
管理人は自動車の場合、NA、ターボ車を問わず、走行距離5,000km以内でエンジンオイルを交換しています。バイクの場合、3,000km以内でオイルを交換してきました。年間走行距離が少ない場合、1年に1回はオイルを交換します。
オイルフィルターはエンジンオイル交換2回に1回交換。
それで、エンジンから異音やトラブルが発生したことは一度もありません。
自動車用エンジンオイル
エンジンオイル交換のDIY派は好みのオイルブランドがあるかもしれません。それ以外でエンジンオイル選びで迷ったら、純正エンジンオイルをお勧めします。各自動車メーカーが推奨する純正エンジンオイルはエンジンとのマッチングが良く、間違いが無いからです。
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バイク用エンジンオイル
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ネット通販で購入したオイルの交換店はこちらで調べることができます。
オイル交換の工賃や日時等は問い合わせフォームでお問い合わせください。
[参考リンク]
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メルセデス・ベンツCクラス-W204のエンジンオイルの選択と交換時期
どうもこんにちは
ヨハネス@元警備員と申します。
エンジンオイルはたまにガソリンスタンドで
交換をしてもらうことがあります。
エンジンオイルが切れそうということで
数千円出費がかさんだりしてますが、
そのおかげでエンジントラブルなども
特に起こさずに済んでるかなと思います。
応援しております