2009年以降のECOカーブーム、そして、世界的にCO2削減が求められ、各自動車メーカーは環境性能を高めた自動車を次々とリリースしてきました。
それら自動車の環境技術の一つとして、アイドリングストップが挙げられます。今や、交差点の信号機が青に変わると、一斉に各車両のスターターモーターの音が聞こえてきます。
しかし、アイドリングストップ搭載車のバッテリーは高い耐久性が必要なため高価。アイドリングストップで燃料を節約しても、2~3年毎のバッテリー交換となると、かえって車のランニングコストが高くなる場合があります。
エコカーの増大
日本勢はハイブリッド技術に次世代型ディーゼルエンジン、高圧縮エンジンによってクルマの環境性能を高めています。
他方、欧州勢や北米はダウンサイジング直噴エンジン+過給機により省燃費性能を高め、アメ車でさえV8エンジンをV6、V6エンジンを直4へダウンサイジングして過給機(ターボ)によりトルク不足を補っています。
エコカー技術は大きく、ハイブリッドとダウンサイジングターボエンジンの2大潮流です。
アイドリングストップ機能
多くの車両に標準装備されている装備がアイドリングストップ機能。
道路が渋滞していると発進、停止の繰り返しで、周囲の自動車から煩雑にスターターモーターのエンジン始動音が聞こえてきます。また、住宅地の狭い生活道路の交差点では、停止した車両から頻繁にエンジン始動音が聞こえてきます。
このアイドリングストップ機能の搭載により、市街地では約10%ほど燃費が良くなるようです。この10%は決して小さな数字ではありません。
仮に、毎月の燃料費が今まで10,000円の場合、アイドリングストップ機能によって9,000円前後になります。この分は、確実にCO2削減に貢献していることになります。
しかし、専用バッテリーが必要
アイドリングストップ搭載車には、アイドルストップ専用の12Vカーバッテリーが搭載されています。これは、高耐久の専用バッテリーのため、従来のカーバッテリーより値段が高めです。
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アイドルストップ車は市街地で数えきれないほど、自動的にエンジン停止と始動を繰り返します。よって、バッテリーも比例して劣化していきます。
指定の交換サイクルを守って、約2年毎のバッテリー交換が必要になります。車の使用環境によっては、バッテリーが1年半程度しかもたないのです。
アイドリングストップによる経済性
先の例のように、アイドリングストップ非搭載のコンパクトカーの燃料費が10,000円/月としましょう。
この車両から同クラス、同排気量のアイドリングストップ搭載車へ乗り換えると、ざっと月々の燃料費は10%Offの9,000円。月々、約1,000円の燃料費削減となり、2年で24,000円の削減。
ところが、アイドリングストップ搭載車は約2年毎のバッテリー交換が必要。
もし、バッテリー本体と交換工賃を合わせて24,000円ならば、アイドリングストップ機能によって節約できたお金はバッテリー交換の費用で全て消えてしまいます。
バッテリー本体と交換工賃が24,000円以上ならば、赤字。つまり、アイドリングストップが無い方が車のランニングコストが安いのです。
アイドリングストップはCO2削減の技術
以上は、かなり大雑把な計算のため、実際のランニングコストと食い違いが生じる場合があるためご了承ください。
夏季はエアコンONにより、アイドルストップがあまり機能しません。あるいは、エンジンが停止しても、すぐにエンジンがスタートします。よって、夏場はアイドルストップの恩恵をあまり受けられません。
冬季はラジエータークーラントの水温上昇に時間がかかるため、一定の水温に達するまではアイドリングストップが作動しません。よって、近距離走行の繰り返しでは、アイドリングストップの効果を得られません。
アイドリングストップ車の場合、表面的な省燃費効果が10%であっても、1年を通算すると1桁台へ突入する可能性が高いでしょう。
車種によって、アイドルストップによる省燃費化の度合いやバッテリー価格に幅があるため、一概には結論を出せません。
そもそも、アイドリングストップ機能はCO2削減のための技術であって、車のランニングコストを削減する機能ではありません。
車の維持費を抑えるためには、通販で専用バッテリーを安く購入してDIYで交換するか、業者にバッテリーを持ち込んで交換を依頼するしかありません。
ネット通販で購入したバッテリーの取付店はこちらで調べることができます。
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