2013年8月、30系プリウスで店舗駐車場に入るために歩道に乗り上げようとした時、左リヤタイヤのサイドウォールが縁石にヒットしてしまい、パンクしてしまいました。
タイヤのサイドウォールが一部裂けてしまったため、パンク修理は不可能。
そこで急遽、タイヤ交換を迫られました。
後輪タイヤを2本だけ交換すればいいものの、前後バランスを考慮して、4本全て交換することにしました。安全性を考えると、これは決して贅沢な判断ではありません。
選んだタイヤはミシュランのエナジーセイバープラス。
では、タイヤの選択から交換の実施、エナジーセイバーを履いてきたレビューをお届けします。
Contents
ミシュランタイヤに食指が動く
30系プリウスの新車装着タイヤはブリヂストンのエコピア/ECOPIA EP25。我が家のプリウスのタイヤサイズは195/65R15。30系のタイヤサイズはグレードによって215/45R17、または185/65R15。
このEP25はアフターマーケットには流通していないOEタイヤ(新車装着タイヤ)。BSのエコピアは低燃費タイヤでよく知られたブランド。
世に出回っている多くの低燃費タイヤは燃費を追求するためトレッド面が硬く、タイヤの硬さが乗員に伝わってきます。
その点、ヨコハマタイヤのブルーアースシリーズはエコタイヤながら、しなやかさも兼ね備えたモデルがあります。しかし、以前、ヨコハマを履いたことがあります。
管理人はウエットグリップを重視する派。
そこで、しなやかで品のある乗り心地で、エコ性能も高いミシュランが候補として挙がりました。ほぼ即決に近く、それ以外の選択肢はありませんでした。
ミシュランタイヤの特徴
管理人は今まで、ミシュランタイヤの「Energy MXV8」と「Pilot Primacy」を履いた経験があります。ミシュランは独自の特徴がいくつかあります。
ミシュランタイヤは路面の細かな凸凹を上手くいなし、かといってカーブで腰砕けになるような事はありません。
ミシュランは歴史的にケーシングの設計が上手く、路面の凸凹をタイヤ全体でいなすような設計。この点において、ミシュランは日本ブランドのタイヤより上手だと思います。
ミシュランタイヤは1つの性能を引き上げたため、他の性能が犠牲になっているモデルが少ないと思います。まあ、とにかく管理人的にミシュランは全ての性能において、総合的にバランスがいいタイヤだと思うのです。
では、ミシュランのスタンダード&コンフォートタイヤの特徴を書き出してみます。
・ユニフォーミティが高い(タイヤが真円に近い)
・タイヤ形状がラウンドショルダー
・ドライ&ウエットグリップのバランスがいい
・耐摩耗性が高い
・低燃費タイヤ技術の歴史が20年以上
・しなやかで品のある乗り心地
ミシュランタイヤのラインアップ
スポーツ系
Pilot Super Sport(パイロットスーパースポーツ)
Pilot Sport 4(パイロットスポーツ4)
Pilot Sport 4s(パイロットスポーツ4s)
Pilot Sport 3(パイロットスポーツ3)
Pilot Sport Cup2(パイロットスポーツカップ2)
コンフォート系
Primacy 3(プライマシー3)
Primacy 4(プライマシー4)
Premier LTX(プレミアLTX for SUV)
LATITUDE Tour HP(ラティチュード for SUV)
ENERGY SAVER+(エナジーセイバープラス)旧モデルになりました。
ENERGY SAVER4(エナジーセイバー4)2020年2月発売開始。
ミシュランのコンフォート系モデルは、今までメジャーブランドを何セットも履いてきたドライバーが納得できるブランド。
※日本市場はタイヤのパターンノイズを嫌う傾向があるのか、サイレントタイヤに根強い人気があります。
このような静粛性に磨きをかけたタイヤは、どうしてもトレッドパターンのデザイン上、雨天時の排水性能には若干目をつぶるトレードオフの関係となります。
ミシュラン、エナジーセイバープラス/Energy Saver+に決定
ミシュランの中で選択肢として挙がったブランドは「プライマシー/Primacy LC」と「エナジーセイバープラス/Energy Saver +」。プライマシーLCは既にカタログ落ちモデルで在庫処分品の模様。
エナジーセイバープラスは新製品ということもあり、新設計に期待してこのブランドに決定しました。
タイヤスペック
ラベリング表示は「A-b」
タイヤサイズは「195/65R15 91H」
サイドウォールに表示されている各スペックは次のとおり。
・Treadwear(耐摩耗性): 400
・Traction: A
・Temperature: A
Treadwear(トレッドウェア)は目安ながら「400」ともなると耐摩耗性が高いタイヤ。
確か、
BSのTURANZA ER300 205/55R16のTreadwearは「320」。
NANKANG AS-1のTreadwearも「320」。
通販でオーダーしたミシュランは2日後に到着しました。価格については割愛させていただきます。タイヤ交換作業は、いつものGSにお願いしました。
エナジーセイバープラスのファースト・インプレッション
タイヤ交換後、最初に走りだす時は、いつもフレッシュな気分に浸ることができます。交換後の印象としては、やはりミシュランらしい乗り心地。過去にミシュランを履いていた記憶が蘇ってきます。
一言で表現するならば、靴底がやや硬めな革靴から、質の高いスニーカーに履き替えたような印象を受けます。久しぶりにミシュランタイヤを履いたものの、やはりミシュランのDNAは不滅のようです。
エナジーセイバープラスのトレッドパターンを観察すると、回転方向に太い溝が3本彫られています。ショルダー部の横溝も太め。このトレッドパターンから、パターンノイズには少々目をつぶっても、雨天時の排水性能が確保されていることが窺えます。
日本は雨が多い国のため、管理人はウエットグリップと排水性能を重視してタイヤを選びます。注意点として、ドライとウエットグリップが大きく異なるようなタイヤは避けます。
あと、限界付近で唐突に流れ出すようなタイヤはいざという時、焦るので選択肢から外します。これは経験が必要なこともあり、タイヤのカタログだけでは絶対に判断できません。
某、日本ブランドで大失敗
ちなみに、かつて管理人は日本のタイヤメーカーの某モデルを選んで大失敗した苦い経験があります。
そのモデルはエコ性能を追及するためか、ウエットグリップがかなり低く、制動距離が伸びてしまう危険なタイヤでした。その頃(2009年~)、ちょうどエコカーとエコタイヤがブーム。
更に、タイヤのユニフォーミティ(真円度)が今一つ。高速道路を走行すると、車体に微振動が伝わってきました。そこで、購入店でタイヤバランスを取り直してもらっても、日本ブランドとしての合格点には届かないレベル。
外れのタイヤだったのかもしれませんけど、台湾のNANKANG/ナンカンタイヤでさえ、そんなレベルの低いタイヤを製造していません。
そのタイヤメーカーとブランド名の公開は控えるものの、今後、そのメーカーのタイヤを購入することは一生ありません。
ちなみに、このページだけで毎月1,000PV(ページビュー)前後のアクセスがあります。ブログ記事の影響力は小さくなく、アクセスが多く発生しているブログの管理人は社会的な責任を背負って情報を発信しています。
このように、タイヤの中には開発期間を端折ったようなモデルが市場に送り出されることがあります。これは身をもって経験しました。タイヤは安全と命を支えている重要部品のため、そのような事はあってはならないのです。
タイヤは命に直結するパーツ。慎重なタイヤ選びをお勧めします。
タイヤのパターンノイズ
エナジーセイバープラスのパターンノイズは日本のタイヤメーカーのお家芸であるサイレントタイヤには及びません。人によっては40~50km/hあたりで特有のパターンノイズが気になるかもしれません。
もちろんエナジーセイバープラスはサイレントタイヤには属しませんし、パターンノイズは必要にして十分抑えられていると思います。
あと、エナジーセイバープラスのトレッドは左右非対称パターンながら、自然な印象を受けるデザインにも好感が持てます。
ミシュランのスタンダードタイヤならば、40,000km以上の耐久性はあるでしょう。今後、当分はこのシューズで移動を重ねていくことになります。
タイヤのパターンノイズとロードノイズの違い
パターンノイズが静かなタイヤと言えば、ブリヂストンのレグノREGNOが有名。軽自動車用のレグノもラインアップに加わっています。管理人は過去において1度、レグノを履いた経験があります。履いたタイヤサイズは195/65R15。
レグノは確かに静粛性が高いタイヤ。しかし、乗り心地とドライ&ウエット路面のグリップ感、価格、耐摩耗性を総合的に考えると、レグノは今回の選択肢に入りませんでした。
パターンノイズ
パターンノイズとロードノイズを混同している方が多いかもしれませんけど、これらは異なるもの。
パターンノイズとは、タイヤのトレッドと路面が接触している部分から発生するノイズ。タイヤのブランドによって、明らかにパターンノイズに違いがあります。
ロードノイズ
一方、ロードノイズは車のボディ設計や形状(セダン、1.5BOX、1BOX、ハッチバック、ワゴン)、剛性、遮音材、吸音材等によっても違ってきます。
タイヤが路面から受ける振動がホイール、ハブ、ナックル、サスペンション、アッパーマウントを通して振動がボディに伝わります。
ロードノイズがキャビンに響くような車に静かなタイヤを履いても、ロードノイズはあまり変化しないことがあります。コストダウンの影響を受けている自動車ほど、ロードノイズが大きくなる傾向があります。
また、純正タイヤ&ホイールからインチアップすると、ロードノイズが大きくなりがち。パターンノイズとロードノイズを抑えたいのであれば、純正サイズのタイヤに戻すのも方法です。
2013.09 追記1
2013年9月上旬に東京都内に用事があり、プリウスで往復しました。高速走行時のパターンノイズは新車装着タイヤと変わらず、エナジーセイバープラスに違和感を抱くことはありませんでした。
30系プリウスの新車装着タイヤはBSのエコタイヤということもあって、細かな路面の凸凹を吸収しきれず振動を乗員に伝えてくるところがありました。
ところが、エナジーセイバープラスはエンベロープ特性が明らかに優れているため、よりフラットな乗り味をもたらしてくれます。
メーターパネルが表示する燃費は往路が25km/L、復路が24km/L。
高速道路ではACスイッチはOff。東名高速道路上に大型トラックが多く、90~100km/hの間を行ったり来たりの走行でした。流れの良い国道一号線を走行すれば、30km/L以上を記録します。
ちなみに、30系プリウスのスピードメーターは少々誤差が大きく、メーターが100km/hを表示しても、GPSの速度計は93km/h前後を表示します。7%のメーター誤差は少々大きく感じます。
2017.03 インプレッション
ミシュラン、エナジーセイバープラスに履き替えて3年半が経過しました。このタイヤと共に走行を重ねてきて感じるのは雨天時の安心感です。
雨天の走行中、水たまりを通過すると、水の抵抗で車速が低下します。ところが、エナジーセイバープラスは排水性能が高く、車速が落ちにくい特徴があります。これには拍子抜けします。
また、エナジーセイバープラスはウエットグリップが確保されているため、横断歩道の白いトラフィックペイントを通過する時にも安心感があります。
タイヤに対して絶対的な静粛性を求めるのであれば、他に選択肢があるかもしれません。しかし、タイヤは「こちらを立てればあちらが立たず」の二律背反の世界。
まだ、エナジーセイバープラスのトレッドの残り溝(5mm以上)は十分残っていますが、次回のタイヤ交換時もミシュランを選ぼうと決めています。
2018.01 インプレッション
ミシュラン、エナジーセイバープラスに履き替えて4年余りが経過。
2017年10月、プリウスの車検を受けました。車検時の点検記録によりますと、タイヤの残り溝は4本平均で5mm以上残っています。
エナジーセイバープラスは予想以上に耐摩耗性が高いタイヤのようです。このことからも、エナジーセイバープラスは年間走行距離が多いドライバーにもマッチするタイヤだと思います。
言葉でタイヤの性能を表現するのは難しいものの、以上、あなたのタイヤ選びのお役に立てれば幸いです。
PS
ミシュラン・エナジーセイバープラスはエナジーセイバー4へモデルチェンジしました。
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ネット通販で購入したパーツの取付店はこちらで調べることができます。タイヤ交換の工賃や日時等は問い合わせフォームでお問い合わせください。
タイヤ交換の前に
今となっては輸入タイヤの増加によって、タイヤの選択肢が膨大です。もう選び放題の状態。今まで、数えきれない程タイヤ交換を繰り返してきましたが、タイヤは生ものに近い消耗品。
タイヤはクルマの消耗品の中で値が張るパーツですから、失敗の無い選択をしたいもの。タイヤ交換時のリスクを低減する「転ばぬ先の杖」として、このようなガイドブックがあります。
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