2013年、3代目のメルセデス・ベンツAクラス(W176)が日本で販売開始となり、テレビで「NEXT A-Class」というメルセデスらしからぬアニメーションCMが放映されたのが印象的でした。
3代目のAクラスは従来のFFを踏襲しつつ、トランスミッションはCVTから7速DCT(7G-DCT)に変更されました。
今回、ディーラーよりAクラス(W176)の代車を借りることができたため、レビューしたいと思います。
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メルセデス・ベンツAクラス(W176)スペック
[A180]
形式:270型
排気量:1,595cc、DOHC直列4気筒直噴ターボエンジン
ボア×ストローク:83.0×73.7mm
最高出力:122PS/5,000rpm
最大トルク:20.4kg・m/1,250~4,000rpm
圧縮比:10.3
車両重量:1,430kg
駆動方式:FF
ランスミッション:7速DCT(7G-DCT)
[A250]
形式:270M20型
排気量:1,991cc、DOHC直列4気筒直噴ターボエンジン
ボア×ストローク:83.0×92.0mm
最高出力:218PS/5,500rpm
最大トルク:35.7kg・m/1,200~4,000rpm
圧縮比:9.8
車両重量:1,530kg
駆動方式:4WD
トランスミッション:7速DCT(7G-DCT)
※AMGモデルは割愛。
ハッチバックでも高いボディ剛性
2017年2月、2016年モデルのA180に試乗することができました。近年のメルセデスのシフトレバーはステアリングコラムに設置されているモデルが多く、A180のシフトレバーもステアリングコラムの右側に設置されています。
エンジン始動後、ブレーキペダルを踏みながらコラムのシフトレバーを下方向に動かすことで「D」ドライブに入ります。
Aクラスのボディ形状はハッチバックということもあり、ボディ剛性の面ではセダンやクーペより不利なのは否めません。しかし、Aクラスを運転中、ボディの存在を忘れてしまうほどボディ剛性が高く、リヤの開口部周囲の剛性不足は一切感じられません。
強靭なボディとA180のタイヤサイズは「205/55R16」という常識的?なサイズということもあり、ロードノイズはほとんど感じられません。
Aクラスはメルセデスの入門モデルという立ち位置ながら、自動車として最も重要なボディ設計に関しては、他のアッパーモデルとの差を感じられないほど剛性感に満ちています。
メルセデスらしい乗り味
メルセデス・ベンツの特徴として、フロントとリヤサスペンションのバネレートとショックアブソーバーの減衰設定がパーフェクトに近いところ。
Aクラスの乗り味、乗り心地は4つの筋肉質な足が強固なボディを支えている印象を受けます。A180のサスペンションは硬めの設定ながら、不快感はありません。おそらく、長距離運転しても疲労が少ないサスペンションセッティング。
メルセデス・ベンツらしい乗り味はAクラスでも統一されています。
実用性を重視した直噴ターボエンジン
A180のエンジンスペックは最高出力122PS、最大トルク20.4kg・m。
これは2L、NAエンジンと同等のトルクを出力し、最高出力は抑えられていることからも、実用性を重視したエンジン。
A180の車両重量は1,430kg。アクセルペダルを深く踏み込んでも速さは感じないものの、トルク重視のエンジンフィーリング。出来がいい7速DCTが常時、適切なギヤを選択することもあり、問題無く交通の流れをリードできます。
なお、エンジン回転が上昇すると、若干キャビンにエンジン音が入ってくるため、人によっては気になる点かもしれません。
ATと変わらないシフトフィール、7速DCT(7G-DCT)
2015年1月、2014年モデルのA180に試乗しました。
その際、気になった点は7速DCTの変速ショックでした。ショッピングモールの駐車場で低速で走行中、シフトアップ時の変速ショックが少々大きく感じたのです。
そして今回、2016年モデルのA180に試乗したところ、初期モデルに見られたシフトショックは皆無。予備知識無しでA180をドライブすると、トランスミッションはATであると勘違いすることでしょう。
DCTを搭載した車両をドライブ中、タコメーターに目をやると、シフトアップ、ダウン時の針の動きが非常に早いことに気付きます。DCTは変速スピードがとても速いのが特徴。
それにもかかわらず、シフトショックが乗員に伝わらないことからも、クラッチコントロールが煮詰められてきた証と言えます。AクラスのDCTは湿式ということもあり、スムーズなシフトが印象的です。
スポーティーなインテリア
A180の運転席に乗り込むと、ダッシュボード中央にセットされた8インチ液晶モニターと3連のエアコン吹き出し口が目に飛び込んできます。
このインテリアデザインはSクラス(W222)から始まったトレンドのようで、モダンクラシック風で独特なムードを醸し出しています。
Aクラスということもあり、ダッシュボードやインテリアの質感はアッパーモデルとは別物ながら、パネルの表面処理とデザインでカバーしている印象を受けます。
液晶モニターが映し出す画像は非常に美しく、COMANDシステムでナビはもちろんのこと、ドライブモードの切り替え、AM/FMラジオ、オーディオ等のコントロールが可能。
A180は天井までブラック一色ということもあり、スポーティーなムードが漂っています。各部の艶消しメッキパーツが上質感を演出しています。
なお、Aクラスは空力とボディ剛性の確保を優先したためか、運転席からの後方視界が優秀とは言い難いものがあります。これは実際、車両に乗り込んで確認してみるといいでしょう。
総括
A180は高い速度域でバランスするように設計されている印象を受けます。
Aクラスというメルセデスのエントリーモデルながら、車体の落ち着きには独特の世界があります。Aクラスの開発チームはドイツのニュルブルクリンクを相当走り込んでいる証。
このような乗り味やハンドリングは日本車ではありえない世界。
メルセデスのクルマづくりには、一貫した哲学があります。
- 高いボディ剛性とシャーシ剛性。
- 路面変化に強く、スタビリティの高いサスペンション。
- クルマの限界を超えて、最終的に顔を出す電子制御。
- 最悪、事故が発生しても、衝突安全性が高いボディとエアバッグが乗員を保護。
Aクラスであれば、都市高速や峠道、荒れた路面、雨の日でも安心してドライブできると思います。
300万円という販売価格の中で、Aクラスは優先的にボディとサスペンションにコストが掛けられている印象を受けました。コスト配分は自動車メーカーの設計思想が如実に現れます。
メルセデスのエントリーモデルでも「味」は他のモデルと変わらないのが印象的でした。
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