30系プリウスオーナーの総括レビュー/30後期の中古車が買い時

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30系の前期プリウス(Sグレード)が我が家に嫁いできて、随分と年数が経過しました。走行距離は52,000km少々。極めて調子が良く、車検と1年点検で不具合箇所は皆無。

2015年にフルモデルチェンジを受けた50系プリウスは大幅にボディデザインが変更され、ハイブリッド・システムがブラッシュアップされました。走行性能や乗り心地も進化しているようです。

そして2018年、50系はマイナーチェンジを受けました。

しかし、依然として50系プリウスのデザインは管理人の琴線に触れることがなく、違和感を抱いているのです。そんな理由もあり、今も30系プリウスが足として働いています。

1台の自動車を長く所有していると、その車のメリットとデメリットがよく分かります。自動車は工業製品である以上、デメリットが無い車は有り得ません。しかし、デメリットを補うメリットがあれば、その自動車は魅力的なのです。

では、30系、前期プリウスのメリットとデメリットについて総括レビューしてみます。

Contents

前期30系プリウスのメリット&デメリット

2009年、フルモデルチェンジを受けた3代目の30系プリウスは当時、ガソリン価格の高騰とエコブームの追い風を受けて大ヒットしたモデル。

それ以降、信号待ちで周囲は、猫も杓子も30系プリウスという奇異な光景が続いていました。

■メリット

30系プリウスのメリット

エクステリア

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・古さを感じさせない端正なボディデザイン

→ 2代目20系プリウスを正常進化させたデザインがGood

インテリア

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・見やすいスピードメーター

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・必要十分な室内空間

・後席のレッグルームが広い

メカニズム

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・秀逸なTHS-2(トヨタ・ハイブリッド・システム2)

・暖機終了後、メインバッテリーの蓄電量が一定以上ならば、アイドリングストップが完璧

・誰が運転しても、そこそこの燃費を叩き出す

・トラブルは皆無(ブレーキパッドは10万km近くもつ)

・消耗部品はエンジンオイル、ブレーキフルード、LLCクーラント、12V補機バッテリー、タイヤ、ワイパーブレードくらい

車体

・優れた直進性能

・ハッチバック車ならではの低重心で高速道路や峠道も安心

加速性能

・ゼロヨン加速性能は「18.0」秒前後。

→ プリウスは速い部類の車ではないものの、高速道路の合流車線などでも力強く加速します。(Power mode選択)加速時、太いトルクを出力するモーターがエンジンをアシストするため、「エンジン+モーター」のトルク感はNA2.3L前後の4気筒エンジンに匹敵します。

パッケージング

・ハッチバックボディは長尺物を軽々飲み込む

・キャビンの前後長にゆとりがある

燃費

・エアコン未使用の春と秋、街乗りで21km/l前後の燃費

・高速道路を90~100km/h巡航で23km/l前後の燃費

・信号機が少ない流れのいい国道で条件が揃うと、30km/l近い燃費(ECOモード&エアコン、ヒーター未使用)

■デメリット

30系プリウスのデメリット

エクステリア

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・Aピラーが寝ているため、死角が多め

・後方視界がハッチバックで遮られる

インテリア

・プラスチッキーな内装

メカニズム

・サスペンションが煮詰め不足

・カックンブレーキに慣れが必要

車体

・ボディ剛性が不足

パッケージング

・ボディの見切りが良くない

燃費

・エアコン使用の夏とヒーター使用の冬、燃費は街乗りで17~18km/lへ悪化

(短距離走行の繰り返しでは、更に燃費が悪化)

■バリューフォーマネー

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トヨタのストロング・ハイブリッドカーはモーター、DC-DCコンバーター、メインバッテリー(ニッケル水素電池 or リチウムイオン電池)を搭載するため、部品点数の増加により重量増とコスト高を招きます。

ストロング・ハイブリッドカーはNAエンジン搭載車より、車体価格がざっと30~40万円以上アップします。

今まで、ハイブリッドカーのバリューフォーマネーに関する様々な計算式がブログやYouTubeで飛び交ってきました。新車のプリウスを購入後、5年、5万kmで買い替えるのであれば、燃費の良さで元は取れず、バリューフォーマネーは低くなります。

(エコカー減税などの税金優遇措置あり。)

中には、10万km以上の走行で元が取れるといった試算があります。

本来、プリウスに代表されるストロング・ハイブリッドカーは年間走行距離が多いオーナーにマッチする車。年間走行距離が2万km前後であれば、5年程度で元を取れる計算になります。

ただ、ここで忘れないようにしたいのは、メインバッテリーは15万~20万kmあたりで要交換時期を迎えます。

・新品HVバッテリーの価格は工賃込みで15~17万円(税別)。

・リビルドHVバッテリーが10万円前後(税別)。

メインバッテリーが交換時期を迎えたら乗り換え時

長年、オーナーがプリウスのステアリングを握り、15万kmまで燃費の良さで支出を抑えて貯金してきたものの、メインバッテリーの交換で貯金を使い果たしてしまう、あるいは追い金が必要と考えて大きく間違いはないでしょう。

どうしてもプリウスに拘り、プリウス愛?が強く、20万km、30万kmと乗り続けるオーナーは別として、メインバッテリーの交換時期を迎えたら、乗り換えの時期と考えるのが適切です。

自動車はバリューフォーマネーが全てなのか?

ハイブリッドカーはNAエンジン搭載車より割高となるため、言わば、燃費の良さを担保して先払いして購入する車。費用対効果的な計算をすれば、長く乗ることで元が取れる車。

しかし、ハイブリッドカーは収支の計算ずくしだけが全てではない一面を兼ね備えています。

それは、暖機が終了していてメインバッテリーの蓄電量が一定以上であれば、ECUが頻繁にエンジンを止め、モーターのみの走行が増えます。ストロング・ハイブリッドカーは状況により、

・エンジンのみで走行

・エンジン+モーターで走行

・モーターのみで走行

そして、アクセルOFFや軽くブレーキペダルを踏むと回生ブレーキが作動します。

自動車の運動エネルギーの一部をモーターで回収&発電し、メインバッテリーに蓄電するシステムはハイブリッド特有のメカニズム。プリウスのブレーキパッドの摩耗が少ないのは、回生ブレーキが作動するのが理由。

ブレーキローターとキャリパー、ブレーキパッドは運動エネルギーを熱エネルギーに変換し、大気へ放出する機械。ブレーキは運動エネルギーを大気中に捨てているわけです。

このようなエネルギーの無駄を可能な限り排除するストロング・ハイブリッドは熱効率が高く、改めてトヨタとサプライヤー全体の技術力の高さを再認識できます。

渋滞時や目的地の駐車場などで、メインバッテリーの蓄電量が一定以上であれば、エンジンが停止していても空調はもとより、カーナビ、オーディオなどの電装品は機能します。そして、バッテリーの蓄電量が一定以下になると、エンジンが自動的に始動し、メインバッテリーを補充電します。

これこそがストロング・ハイブリッドの大きな特徴であり、他の内燃機関が真似できないアドバンテージだと思うのです。

■プリウスオーナーの本音

以上、管理人が30系プリウスに抱いている印象です。

前期プリウス(Sグレード)の新車価格は230~240万円。この価格帯の自動車に複雑でコスト高なハイブリッドシステムを搭載する以上、トヨタの車づくりの予算配分が厳しくなるのは想像に難くありません。

もし、Sグレードの新車価格が300万円ならば、明らかに割高感があります。

しかし、230~240万円の車両に複雑なハイブリッドシステムを搭載する以上、プリウスのデメリットに関して大目に見るのが大人の常識人ではないかと思います。別段、目くじらを立てるものではありません。

トヨタは初代プリウスの開発で紆余曲折し、2代目プリウスがハイブリッドカーの存在を世に知らしめ、3代目プリウスが日本のみならず世界で躍進しました。

資金力が豊富で技術力の高いトヨタ自動車だからこそ、トラブルフリーのハイブリッドカーを200万円台で世に放つことができたのです。

アメリカのGM、フォード、クライスラーが逆立ちしても、このようなハイブリッドカーを200万円台で販売することは不可能でしょう。

というか、アメリカはガソリン価格が安い国。

アメリカは燃費を追及する車より、大排気量のV8やV6エンジンを搭載した大型ピックアップ・トラックの開発が優先する能天気な国。事実、アメリカで人気の上位車種は「全幅2m×全長6m」のフルサイズ・ピックアップトラックなのです。

話を戻しますと、プリウスに関する様々な意見がブログやYouTubeで飛び交ってきたものの、トヨタだからこそプリウスを製造できたのです。

別段、この記事がトヨタを持ち上げているわけではありませんし、タイアップしているわけではないものの、敬意を持ってプリウスを見つめ直してもいいのではと思います。

2020~2021年、30系、後期プリウス中古車が狙い目

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車選びでハイブリッド車が気になっていて、50系プリウスのデザインに抵抗感があるならば、選択肢の1つとして「30系の後期プリウス」は外せないモデル。

30系の後期モデルは以下の内容がブラッシュアップされています。

・フロントバンパー形状

・テールランプデザイン

・コンソールボックスのリッド形状

・システムインジケーターの解像度アップ

・ボディ補強

・ショックアブソーバー変更

・サスペンション・アッパーマウントの変更

30系プリウスは大ヒット車ということもあり、前期と後期モデル共に、まだまだタマ数は豊富。値段もこなれてきています。

30系プリウスのグレード

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30系プリウスのグレードは6つ。

・L

・S

・G

・Sツーリングセレクション

・Gツーリングセレクション

・Gツーリングセレクション・レザーパッケージ

+

・g’s

Lグレードはベーシック、Sグレードは標準、Gグレードはアッパーモデル。

LからGグレードまで、パワートレインとボディ骨格は同じ。各グレードの違いは、装備と一部サスペンション、タイヤサイズ、ホイールサイズ。

30系プリウスの中古車は何でもアリの状態のため、お好み次第。

豊富なカスタムパーツ

30系プリウスは歴史に残る大ヒットモデルということもあり、プリウス用の新品&Usedカスタムパーツが共に豊富に流通しています。カスタムを好む車好きにとって、プリウスはもってこいのベース車両の1台。

・アルミホイール

・エアロパーツ

・車高調サスペンション

・ダウンサスペンション

・ダンパー

・LED

・インテリアパネル

・ステアリングホイール

・シフトノブ

・シートカバー

・各種メッキパーツ

魅力的なプリウスは売れ足が早い

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魅力的なプリウスは、やはり売れ足が早いようです。中古車サイトで以下の条件で検索してみました。

・30系プリウス後期モデル

・走行距離4~5万km

・修理歴無し

検索結果は全国で約400台がヒットしました。

価格は60万円台~190万円台まで幅があります。

社外アルミホイールやエアロパーツ、カーナビ、HIDヘッドライト、ETCなどがフル装備のモデルも見つかります。

30系プリウスのファイナルモデルの年式は2015年。50系プリウスは2015年に誕生。検索すると、50系プリウスの中古車は全国で約500台。

今後、程度のいい30系の中古車が減少し、50系の中古車が増えていくのは確実です。

もし、50系プリウスに違和感を抱くのであれば、2020~2021年にかけて、30系プリウスの中古車はファイナル・チャンスの時期に差し掛かっています。

プリウスは法人や個人事業主の営業車としても便利。プリウスならば、後席にお客さんを乗せての短距離移動から出張の長距離移動まで、ラクラクこなしてくれます。

まとめ

車好きはプリウスのようなハイブリッドカーに食指が動かないかもしれません。プリウスは運転が楽しく、欧州車のように走りがいい部類の自動車ではありません。

しかし、プリウスには、デメリットを補って余りあるメリットもあります。

プリウスは4輪版のHONDAスーパーカブのような乗り物。プリウスは「丈夫で長持ち&そこそこ燃費がいい自動車」。

プリウスに大人5人が乗車し、長距離走行でも不満の声は上らないと思います。陰日向なく働いてくれる「丈夫で長持ちするパートナー」として、プリウスは極めてトヨタらしい自動車と言えます。

管理人はプリウスのようなストロング・ハイブリッドカーは日常の足として、とても便利な自動車であると結論付けています。

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