2000年に大店法(大規模小売店舗法)の廃止後、特に、地方都市の人の流れに大きな変化が現れ始めました。
かつて、駅周辺や地元の商店街が市民生活と密接な関係を保っていました。ところが、大店法の廃止により、郊外に巨大なショッピングモールが建ち始めたのです。
日本のショッピングモールは米国と同様、巨大な駐車場を確保して圧倒的な店舗数と品揃えで人の流れを変え始めました。
郊外型ショッピングモールは大量仕入れ、充実したプライベートブランドにより、地元の商店街は次々と飲み込まれていったのです。
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大都市圏と地方圏のショッピングの違い
東京、大阪の各線路沿線の住民は、徒歩や自転車で近くの商店街へ買い物に行きます。仕事帰りに駅や周囲のスーパー、小売店で買い物をするのが日常生活のワンシーン。
他方、地方圏では自動車やバイクで移動する人が多いのが特徴。よって、仕事帰りに自動車やバイクでスーパーや小売店で買い物をするライフスタイルが大多数です。
買い物難民の増加
全国的に少子高齢化が進む中で、高齢者の買い物難民が増加傾向にあるようです。加齢とともに、自動車やバイクの運転が難しくなっている背景がそこにあります。
とある住宅地の近くで長年、営業してきたスーパーマーケットが撤退したため、地元の高齢者が買い物で苦労するようになっている例は全国的に少なくありません。
管理人が良く知っている住宅地も同様となってしまい、スーパーマーケットが撤退した後にコンビニが営業を始めたのです。しかし、コンビニでは、毎日の食卓を満たすことはできません。
よって、その住宅地の高齢者は、バスに乗って20分以上かけて買い物に行かなければならなくなったのです。
対策として、イオンのような大型ショッピングモールや地元で複数の店舗を展開している大型スーパーマーケットは無料シャトルバスや1BOXカーの定期運行により、お客さんの足を確保しています。
そして、コンビニはデリバリーサービスを展開し、チャンスを逃がさない姿勢が窺えます。
確かに、大店舗での1ストップショッピングは利便性が高く、圧倒的な集客力を持つ巨大空間は楽しめる場所。ショッピングモールは各種イベントを企画し、家族連れにはもってこいの場所。
ショッピングモールの撤退
問題は、そう遠くない将来にあります。
日本の人口は既に頂点を迎え、なだらかな人口減の流れが始まっています。日本国内では過疎地域のみならず、人口10万人程度の小都市で人口流出が続いているケースが数多いのです。
中核都市でも人口減が始まっています。
地域一帯の人口が減少していけば、自ずと地域全体の購買力も低下していきます。そのような地域にショッピングモールが立地していれば、最終的にモールは撤退を余儀なくされます。
実際、ショッピングモールの閉店、撤退は珍しいことではありません。
かつて、ショッピングモールの建設により、地元商店を飲み込んでいきました。そして将来、そのショッピングモールが消えていったら、その地域に何が残るのでしょうか。焼け野原と化すのでしょうか。
自分の居住地一帯が将来、どのような方向へ進んでいくのか、将来を見据えて考える必要があると思います。人、物、お金はいつまでも同じ場所には留まっているわけではなく、潮の流れのように流動的なのです。
Wrote 2013/8/14
管理人の予言通り
当ブログを書いたのが2013年8月14日。
管理人の予言通り、日本の各地でぱらぱらとショッピングモールの閉店、撤退のニュースが発表されています。
地元住人の中には、「イオンがあるから転居してきたのに・・・」という方もいるようです。
巨大なショッピングモールは固定費の額が凄まじく、売り上げの減少により損益分岐点を下回る状態が続くと、赤字額が半端ではありません。
ショッピングモールは民間企業である以上、割が合わなくなったら即、撤退なのです。
[追記]
2018年2月、つくばエクスプレス(TX)つくば駅近くの「イオンつくば駅前店」が閉店。あのイオンつくば駅前店は巨大な店舗ながら閉店なのです。
[追記2]
佐賀県上峰町のイオン上峰店が2019年2月28日に閉店。
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