日本の自動車燃費表示はJC08モードから新燃費表示WLTPモードへ

2011年4月1日以降に認定を受けるクルマはJC08モード燃費の表示が義務化されました。かつての10・15モード燃費表示は時代とのズレと実燃費との乖離問題があったからでしょう。

では、JC08モード燃費表示は実燃費に近い値なのでしょうか?その答えは、自動車カタログの燃費表示を見れば一目でわかります。

 

JC08モード燃費表示

各自動車メーカーのオフィシャルサイトやカタログを眺めると、大きな数字で燃費値が表示されています。ところが現実問題として、今どき自動車カタログを眺めて、燃費表示を真に受ける人がいるのでしょうか?

2015年、TOYOTAからリリースされた4代目プリウスはJC08モードで40km/Lを超えています。3代目プリウス30系のLグレードのカタログ燃費は32.6km/Lですから、それを大幅に上回ります。

30系プリウスの市街地燃費は平均で20km/L前後。夏場はエアコンONにより、それより若干悪化し、冬場は更に悪化します。プリウスが良い燃費を叩き出す季節はエアコンを使わない春と秋。

では、プリウスLグレードのカタログ燃費は絵に描いた餅なのでしょうか?

条件が揃えば、30系プリウスで30km/L以上を記録することはあります。

 

条件が揃えば、燃費は伸びる

高速道路

 

管理人はかつて、30系プリウスで国道1号線を200kmほど走行しました。その時、交通の流れが良かったこともあり、メーターに表示された燃費値が30km/L + αを記録したことがあります。

その時、季節は秋であったこともあり、エアコンは常時OFFでした。

60km/h前後の連続走行で条件が揃えば、プリウスはカタログ燃費と同等の値を叩き出すことはあります。ただ、これはあくまで複数の条件が揃えばの話です。

 

JC08モード燃費表示の誤認問題

自動車の燃費測定方法は国土交通省によって定められ、測定方法次第で燃費値は簡単に上下します。燃費表示がJC08に変更されたとはいえ、やはり現行の燃費測定方法は消費者を誤認させてしまう傾向があると思います。

もし、カタログ燃費が30km/L前後でも、実燃費が15km/L前後の自動車が存在するならば、これは問題があります。

 

母親が子供と一緒に買い物に出かける時、子供に「100円のお菓子を1つ買ってあげるね。」と囁いたとしましょう。

ところが、母親がスーパーで子供に半額の50円のお菓子を買い与えたら、子供は怒って泣きじゃくるのです。

お母さん!子供に嘘をついちゃダメだよ!

 

消費者の心理からすると、カタログ燃費は実燃費 +10%ほどが容認できる範囲ではないでしょうか。例えば、カタログ燃費が20km/Lで実燃費が18km/L前後ならば、あらかた納得できる燃費表示だと思います。

海外では、市街地と高速道路における燃費を2つに分けて表示する国があります。この方がより実態に近い燃費値。日本の燃費表示はまだ発展途上段階でしょう。

 

新燃費表示「WLTPモード」

2016年10月31日、国土交通省は日本国内の燃費試験の基準を「JC08モード」から2018年10月より「WLTP」に全面的に移行する旨を発表しました。

 

※クルマを購入する前に、実燃費を知るならこちら。

実燃費による燃費ランキング、e燃費 new_window_icon_black

 

[関連記事]

アイドリングストップでクルマの維持費が安くなる訳ではないかも!?

5MT/マニュアルトランスミッションは最も伝達効率が優れた変速機

 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


TOP