どこのコンビニでも「ベストカー」という自動車雑誌が必ずと言っていいほど置いてあります。この雑誌は日本で一番売れている自動車雑誌のようです。
新型車と近い将来販売される可能性があるクルマのスクープ情報において、「ベストカー」は興味深い内容ではあると思います。
まめなモータージャーナリスト
この雑誌で登場するモータージャーナリストやライターの中で重鎮とも言われる方は国沢光弘氏。彼のジャーナリスト歴はかなり長いようです。国沢氏はマガジンの世界のみならず、独自のブログサイトを運営しています。
こちら。
https://kunisawa.net/
国沢氏のみならず、モータージャーナリストの多くはブログや独自ドメインでブログを運営しています。その中で、ほぼ毎日のように更新を続けているジャーナリストは国沢氏くらいではないでしょうか。
国沢氏はラリーの世界でも自らステアリングを握り、時折、海外遠征の情報がブログにアップされています。仕事柄、ネタが尽きないのでしょう。しかし、毎日ブログを更新し続けるとなると、容易なことではありません。
ブログの傾向としては、旬の内容が多い印象を受けます。そして、人柱報告も多々あります。
彼はモータージャーナリストの中でも、トップを走るMr.人柱。ジャーナリストの中でも、真っ先に「今」の情報をアップしているのは国沢氏くらいではないでしょうか。
モータージャーナリストの立ち位置
モータージャーナリストに限らず、他の分野のジャーナリストを含めて、その立ち位置が後退傾向にあります。その原因はインターネット。
ネット上にはコミュニティサイトが星の数ほど存在し、ソーシャルネットワークが瞬く間に人々の生活に浸透してきました。個人間の情報交換が密なこともあって、ジャーナリズムの根幹が揺らいでいるのでしょう。
確かに、ジャーナリストが発する情報には諸般の事情から多少なりともバイアスがかかっています。
ネットワーク社会の到来以前、情報伝達に手間がかかり遅くて当然でした。よって、情報を整理して伝達するメッセンジャーが必要とされたわけで、それがジャーナリストの役割でした。
しかし、今日では情報の格差は無いに等しく、都市部でも過疎地でも情報の格差はほとんどありません。そして、インターネットの最大の長所はインタラクティブにあります。
よって、情報の信憑性はネット社会が判断するようになり、個人でも組織でもありません。これがジャーナリスト後退の要因の1つでしょう。
しかし、将来ジャーナリストが消えていくことは無いと思います。精度の高いリアルな情報を発信できるジャーナリストは今後、更に必要とされるでしょうし、素人集団のネット社会が求めるのはそれだと思います。
モータージャーナリストはエンジニアではない
国沢氏の話に戻しますと、素人が彼の記事を読んでも理解できないことが少なくありません。これは、ジャーナリストは機械工学や電子工学の知識を持つ現役エンジニアではないため、解説内容が舌足らずになってしまうのです。
しかも、1人のジャーナリストが約3万点のパーツで構成されている1台の自動車を全て評価するなんてことは到底不可能。
例えば、ボルトを1本作るだけでも、膨大なノウハウと専用設備が必要なわけですし、ボルト生産には数多くの人々が関わっています。ボルト製造の工学知識を持つジャーナリストは皆無でしょうし、その道のプロ以外はボルトというパーツを深く理解していません。
ググると、2chや各種板で国沢氏に関する書き込みが続々と出てきます。
確かに国沢氏の文体は独特なものですし、特定分野のエンジニアでもありません。あくまでモータージャーナリストはメッセンジャーガイに近い立場であると考えれば、波風は立たないのではないでしょうか。
国沢氏は真っ先に人柱になって「時のクルマ」や「パーツ」を自腹で購入し、テストを繰り返してレポートする姿勢からも、並々ならぬ自動車に対する好奇心と熱意が伝わってきます。ずいぶん持ち上げてしまいましたが、彼は十分カーガイだと思います。
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