会員数56万人という日本最大級のドロップシッピング企業である株式会社もしもが提供する「もしもドロップシッピング」が2020年4月末日をもって、サービスの提供を終了することになりました。
ECやインターネットに関りがある方であれば、「もしも」の存在をご存知かもしれません。
「もしも」はECやネットビジネスの黎明期である2006年8月、ドロップシッピングのサービス提供をスタートさせました。その後、会員数は順調に伸びていった模様ながら、13年余りの年月を経てサービス提供の終了となったのです。
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ドロップシッピングとは?
ECビジネスならば、必ず商材の仕入れや製作が必要。もちろん、在庫を抱えてネット販売する以上、在庫リスクを伴います。
そこで、商材の仕入れが不要で商品のネット販売が可能ならば、在庫リスクがゼロでビジネスができます。しかも、商品が売れた後の受注処理や発送業務、カスタマーサポートが不要なのです。
ドロップシッピングの仕組み
【商品販路を拡大したいメーカーや販売業者】→ 受注後、商品発送。
契約、商品登録↓
【もしもドロップシッピング】
登録↑
【ネットショップ】
ネット上で「もしも」の取扱商品を販売。販売価格は自由。
↓
商品が売れたら、その情報はメールでメーカーや販売業者へ自動送信される。
ドロップシッピングは【商品販路を拡大したいメーカーや販売業者】と【もしもドロップシッピング】、【ネットショップ】の三者がWin-Win-Winの関係を築くことができるビジネスモデル。
当時、ドロップシッピングのビジネスモデルに飛びついた方も多かったのではないでしょうか。
もしもドロップシッピングのサービス終了の理由
もしもドロップシッピングのサービスが終了となった理由は以下のとおりです。
昨今のEC市場の変化により、もしもドロップシッピングとして価値提供を続けることが難しく、サービスを終了する判断をいたしました。
2006年8月のサービス開始より13年間、多くの皆さまにご利用いただき、心より感謝を申し上げると共にサービス終了に伴い、多大なご迷惑をおかけいたしますことを深くお詫び申し上げます。
弊社サービスである『TopSeller』『もしもアフィリエイト』『もしもマーケティング』は、引き続き事業拡大を続けております。株式会社もしも一同、「喜び」をつくる会社として成長して参ります。今後とも、宜しくお願い申し上げます。
出典:株式会社もしも
「もしもドロップシッピングとして価値提供を続けることが難しく」とあります。
この文面の背景には結構、重い事情があると考えられます。おそらく「もしもドロップシッピング」が株式会社もしもの経営の足を引っ張っていたのではと推測されます。
というのも、ドロップシッピングというビジネスモデルは表面上、極めてメリットがありそうに見えます。しかし、ドロップシッピングを手掛けるネットショップの運営はなかなか難しいのが実情なのです。
ドロップシッピングのマーケティング
ネットショップがドロップシッピングを手掛ける際、まずはどのような方法でマーケティングを仕掛けるか戦略を練る必要があります。
Amazonでマーケティング
例えば、Amazonへの出店は可能です。Amazonは原則としてドロップシッピングを認めています。
Amazonに出店し、商品が売れた時に発生する販売手数料は商品カテゴリーによって違いがあるものの、約8~15%。
Amazonには大口出品と小口出品の違いがあり、ドロップシッピングというビジネスモデルで8~15%の販売手数料、ロイヤリティはなかなかきついと言わざるを得ません。
特に型番商品は簡単に価格が比較され、各ネットショップがネット上で同一の商品を販売するため価格競争が激しくなります。中には、「Amazonでそんな価格で商品を販売したら、絶対に赤字じゃん!」なんて業者が出てくることもあるのがドロップシッピングの世界。
WordPressでマーケティング
そこで、WordPressでドロップシッピングを仕掛けるマーケティングならば、ロイヤリティは一切ありません。ゼロです。
WordPressを立ち上げる際、ドメイン取得費用とレンタルサーバーの費用くらい。あと、有料のWordPressテンプレートを使用するとしても1万円前後。
そこで、WordPressでドロップシッピングの販売ページを作成し、マーケティングを展開しているショップも多々あります。WordPressでドロップシッピングのショップを立ち上げるということは、リアル店舗の路面店に相当します。
Amazonのような集客力があるモールに出店するのとは勝手が違い、WordPressのショップはゼロからマーケティングの仕組みを作り上げていく必要があります。これは、ネットビジネスの初心者にはかなりハードルが高いと言えます。
このようにモール出店とWordPressショップはそれぞれメリットとデメリットがあるため、一概にどちらがいいとは言えません。
ネットビジネスの環境変化
確実に言える事として、ショップが仕掛けるドロップシッピングは粗利が低い傾向があります。そのため、マーケティングにコストがかかると利益が圧迫されてしまい、何をやっているのか分からなくなってしまうのです。
このような背景もあって、ドロップシッピングに参入したものの、上手くいかずに撤退していったショップが数多いのではと推測されます。
ドロップシッピングは表面的にはなかなか上手く考えられたビジネスモデル。
しかし、【商品販路を拡大したいメーカーや販売業者】と【もしもドロップシッピング】、【ネットショップ】の三者のうち、誰かが儲からない状態が続くとドロップシッピングというビジネスモデルは崩壊していくのです。
そもそも2006年当時、まだネットビジネスの黎明期。
メーカーや販売代理店はネットで商品をどのように流通させたらいいのか五里霧中であったこともあり、ドロップシッピングでマーケティングを仕掛けてみたのでしょう。
しかし、今やネット販売の敷居がぐっと下がり、ずぶの素人でもメルカリやSTORES.jp 、BASE で販売できる時代。
ドロップシッピングは今や前時代的なビジネスモデルになってしまったのです。
お早うございます。
タイトルを見た時、驚きましたが記事を読ませて貰うとなるほどと思いました。ドロップシッピングは消える自分で在庫を抱えなくてもやろうと思えばできるビジネスモデルとして魅力ですがAmazonとワードプレスのどちらの方法で実践するにしても難しそうですね。仕組みが難しいために実践する人が年々少なくなっているという背景があると思います。
こんにちは。
ドロップシッピングは随分前に注目を集めたビジネスモデルながら、難しくて撤退した方が多かったようです。