日本の家電メーカーが韓国のサムスンやLGを相手に苦戦しているのは昨日、今日に始まったことではありません。
かつて、日本の家電メーカーは電気製品に対して高い付加価値を与え、痒いところに手が届く設計で世界に君臨していました。
日本の家電製品の品質、先進性、信頼性のどれをとってもJapanブランドはダントツ。但し、操作性(UI=User Interface)を含めて、まったく問題が無いわけではなかったのです。
日本の家電メーカーはモデルチェンジの度に製品に新たな付加価値を加え、高い値段で売るというビジネスモデルの繰り返しであったような気がします。それは、至極まっとうなビジネス手法。
しかし、新興国に対して、機能を省いた廉価品を大量に販売するという概念が欠けていたのでしょう。
以下の世界企業、時価総額ランキングによりますと、サムスン電子は16位にランキングし我がパナソニックは304位。
世界の企業、時価総額ランキング
サムスン電子 16位 (2020年11月現在)
今となっては、サムスンやLGの電気製品が日本市場に随分浸透しています。身近な例ではスマートフォン。
海外では韓国ブランドの圧勝
海を渡った向こうの国々では、テレビやエアコンのような代表的な家電製品にいたっては、韓国ブランドの圧勝状態。要は、韓国ブランドは日本ブランドと比べて値段が安く、品質は悪くはないのです。
日本の家電メーカーは高付加価値と高価格の呪縛に縛られ続けている間に、価格攻勢を仕掛けてきた韓国勢の後塵を拝するようになったのでしょう。
インドネシアでも韓国ブランドの電気製品がポピュラー。現地の電気店の店頭には、必ず韓国ブランドのSAMSUNGとLGテレビが陣取っています。
現地では2~3万円の月収が現実的。その収入で5~6万円のテレビはやはり高額品なのです。
それでも日本の家電メーカーは過去において、日本ブランドを笠に着て、付加価値の高い製品を販売してきました。
世界の人口構成比率、そして多くの人口を擁する中国やインド、インドネシア国民の年収からすると、地球上の多くの人々にとって1台5~6万円のテレビは高額商品であり簡単には買えないのです。
それどころか、インドのように電気の供給が不安定な国が珍しくありません。今となっては、インドでは完全に韓国ブランドがマーケットを押さえているのです。
3Dテレビは失敗
すでに薄型テレビがある日本の家庭に対して、テレビを買い換えてもらうのは容易ではありません。かといって、3Dテレビは企画先行型の製品でした。
3Dテレビを見る時、専用のメガネをかける必要があります。
お茶の間の皆が変なメガネをかけている光景は異様なもの。視力が良くない人はどうすればいいのでしょうか。家族4人分のメガネを揃えたら、それだけで2万円以上。
そのお金でもう一台、小型液晶テレビが買えてしまう。
来客に3Dテレビを観てもらうために、無理強いして、お客さんに専用メガネをかけていただくのでしょうか。それ以前に、来客用のメガネを揃えておく必要があります。
ジャパネットたかたが取り扱っている3Dテレビは10万円台後半から20万円台が普及クラス。この3Dテレビが普及しなければ、3D対応のテレビ番組や映画のソフトも増えていきません。
結果的に、3Dテレビが普及したのか否かは言うまでもありません。
要UIの研究
海外のテレビを持てない圧倒的な人々の購買意欲は高いのです。日本の昭和40年代と同じ。要は、手元のお金の量と商品の価格設定にミスマッチの問題があるのです。
そこに入り込んだのが韓国メーカー。韓国勢は別段、難しいことをやってきたわけではないのです。
日本ブランドがこのような▼TVを製造していないことに疑問を抱きますし、日本の家電メーカーはもっとUIを勉強してほしいと思うのです。
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