フェラーリFerrariは広告を一切出さないF1レース&スポーツカー屋

富豪や余裕のあるスポーツカー好きの乗り物と言えば、イタリアの高級スポーツカーで有名なフェラーリが挙げられます。

フェラーリは官能的なエンジンサウンドを奏で、値落ちしにくいクルマでも有名。

この自動車メーカーは、とてもユニークな経営戦略を持っています。

フェラーリ社は広告を出さない

フェラーリ社は広告を一切出していません。

カーマガジンやファッション雑誌にフェラーリの広告が掲載されているならば、それは、日本のフェラーリ代理店や販売店が出している広告。

フェラーリ本社はテレビCMやマガジンを含めたペーパーメディアに一切、広告を出していないのです。

勿論、フェラーリ社のオフィシャルサイトはあるものの、なぜでしょう?手元に資料があるわけではありませんが、管理人の考えを呟いてみます。

認知度が高いフェラーリ

管理人は子供の頃からフェラーリを知っていました。模型屋さんに行くと、赤いフェラーリのプラモデルやラジコンの存在感は抜きん出ていました。

フェラーリ = 燃える「赤」がコーポレートカラー。

フェラーリ特有のボディデザイン、美しい曲面こそがフェラーリのブランド。

老若男女を問わず、フェラーリの存在は幅広く知られています。フェラーリはランボルギーニより知名度が高いかもしれません。

フェラーリ社は昔から広告を出しているわけではないのに、社会的な認知度が高いのです。

フェラーリ社は今も昔もレース屋

フェラーリ458

フェラーリというスポーツカーメーカーはF1レースで勝つのが目的の会社。フェラーリ社はF1レース屋さんなのです。

F1の世界で活動していくためには、マシーン開発はもとより、海外遠征を繰り返すため膨大な経費がかかります。その費用を捻出するために、フェラーリ社は昔から高級スポーツカーを製造販売しているのです。

フェラーリを買うという事は、購入代金の一部をお布施としてフェラーリ社に献上するようなところがあります。フェラーリの購入代金の一部はフェラーリ社のF1活動費に流れていくのです。

フェラーリオーナーはフェラーリ社のタニマチ的な存在に近いところがあるでしょう。

フェラーリ社は他の自動車メーカーとは経営の順番、発想が大きく異なっています。

フェラーリ以外の自動車メーカーは、まず最初に自動車を製造販売し、その利益の中からレース活動費を捻出しています。各自動車メーカーはレース活動を通して様々な技術を蓄積し、それらの一部が量産車にフィードバックされていきます。

更に、モータースポーツの世界で活躍することで、自動車メーカーのブランディングの構築に大きく貢献します。

ライセンスビジネス

フェラーリ

更に、フェラーリ社は各分野の企業とライセンス契約を結び、ライセンス収入が転がり込む仕掛けを作っています。模型メーカーがフェラーリの模型を製造するには、もちろんライセンス契約が必要です。

フェラーリのボディデザインとロゴマークそのものが知的財産となっています。

かつてのSONYプレイステーションのグランツーリスモ・シリーズにフェラーリが出てこなかったのは、恐らくライセンスの問題があったからでしょう。

レース中継やメディア記事、YouTubeが広告

企業にとって広告費の負担は大きいもの。

大企業の多くはイメージ広告を出すことで、ブランドの確立と知名度の向上を図っています。広告費が最終的にどの程度、販売に結び付き、リターンとなって回収できるのか厳密な計算はできません。

しかし、大企業である以上、一定の広告予算を確保しています。

それに対して、フェラーリはF1レースのテレビ中継や各メディアの記事、YouTube動画が自動的に広告となっています。更に、各ライセンスビジネスで自社のCIマークとブランド名が自動的に世界へ行き渡っていきます。

フェラーリグッズは幅広く、帽子やTシャツ、ポロシャツ、ジャケット、バッグ、財布、キーホルダー、時計、iPhoneケース、モデルカー等が販売されています。

レース屋であるフェラーリ社の経営戦略は他社とは一線を画しています。

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