燃費向上のテクニックはこれだ!車の瞬間燃費計の見方と活用方法

メーターパネルに燃費計を標準装備する自動車が随分増えました。

瞬間燃費をバーグラフで表示するものから、1日の平均燃費、リセットボタンを押してからの総平均燃費を表示するものまで様々。

それらの中で、瞬間燃費計はいろいろと役立つ情報をドライバーに伝えてくれます。

この瞬間燃費計のリアルタイムな動きを見る必要はありません。もっと俯瞰して、燃費の変化を大まかに把握すれば、どのような時に燃費が悪化し、逆に良くなるのか見えてきます。

ちょっとしたテクニックで自動車の燃費を向上させることは十分、可能です。

では、誰でもできるエコで安全運転にも繋がる運転テクニックをご紹介します。

ゼロ発進時、瞬間燃費は1桁台

自動車メーターパネル

自動車がゼロ発進(停止状態)から加速して、制限速度に達するまでの間、瞬間燃費計が表示する燃費は1桁台

これは、軽自動車からコンパクトカー、ハイブリッドカー、大排気量車まで同じ。

車重1トン未満の軽自動車から2トン前後の大型輸入外車まで、停止状態の鉄とアルミニウムの塊を動かすためには、膨大なエネルギーが必要であることが読み取れます。

巡航に入ると燃費は激変

ガソリンメーター

ところが、

制限速度に達して、60km/h前後で巡航すると、燃費はグーンと良くなります

平地を巡航中であっても、瞬間燃費計は上下を繰り返します。これは、僅かなアクセルワークや微妙な道路の勾配、風向きによるもの。

走行中、瞬間燃費計は忙しく上下を繰り返しています。この小刻みな燃費の変化を気にする必要はありません。

瞬間燃費計の動きを大まかに観察することで、どのような時に燃費が悪化し、逆に良くなるのかその傾向が見えてきます。

瞬間燃費計の普及により、私たちドライバーの反エコ運転が矯正されているようです。何とも、世の中はCO2削減&エコ一色になってしまいました。

KYなエコ運転は迷惑

エコ運転なる教本で「アクセルペダルをなるべく踏まないように。」なんて書かれています。もし、日本国内の全てのドライバーがそれを実践したら交通の流れが悪化し、更なる交通渋滞を招いてしまいます。

それは、非現実的なのです。

また、あおり運転を誘発させる原因にもなります。

体に例えるならば、「血圧を下げて血流を悪くし、流れを抑制しましょう」なんて言っているようなもの。

少々偉そうながら、燃費は単独車両だけで考えるのではなく、自動車社会全体として大きく捉えることが大切だと思います。

根本的には、都市開発時点の道路設計次第で自動車の燃費は左右されると思います。

日本の道路は高速道路とバイパスを除き、とかく信号機で車両の流れを止める設計になっています。このような道路設計では、燃費は伸びにくいのです。

ま、そのような話をしても、既に出来上がっている都市構造を今さら変えることはできませんけど。

エコ運転その1 – 巡航を長くする

自動車、道路

「燃費」はトータルで考えればいいのです。信号が青に変わってゼロ発進時、どのような自動車でも燃費は悪いのです。要は、自動車の燃費は加速時に悪化します。

よって、アクセルペダルをあまり踏まないでダラダラと加速するよりも、早めに制限速度に達して、巡航に入った方がトータルで燃費が良くなります。

もちろん、急発進は燃料の無駄使い。要は、丁寧なアクセルコントロールが優先します。

街中でダラダラと時間をかけて加速し、信号機や一時停止の標識の手前で制限速度に達して停止する自動車を見かけます。

このような運転では、燃費がダラダラと1桁台で続くため、燃費が良くないのです。

自動車のみならず、バイクも船も巡航状態を長く保つことで燃費が良くなります。クルーズコントロール装着車であれば、高速道路以外でも積極的にクルコンを使用することで燃費が良くなります。

そうです。

なるべく一定の速度を保ちながらドライブすることで燃費が良くなるのです。

自転車を思い出してください。

自分が心地いい~と感じる一定の速度でペダルを漕いでいると、疲れは少ないのです。それに対して、ペダルに全体重を乗せて急加速、そして、ブレーキ減速を繰り返していると、へとへとに疲れます。

高速道路でも同様、なるべく一定の速度を保つことで燃費が良くなります。それと同時に、後続車両のドライバーにとっても運転しやすくなり、車両集団全体の燃費にも貢献します。

とかく運転の下手なドライバーほど車速が変化しやすく、それが後続車両に影響を与えて全体の車速が低下し、渋滞の原因となるのです。

大型トラックや観光バス、ハイウェイバスのプロドライバーの中で、運転が上手なドライバーほどアクセルコントロールが丁寧で明らかに巡航時の速度変化が少ないのです。

山道では燃費が悪くて当然

山間部へ向かうシーンでは長々と上り坂が続くため、当然、燃費は良くありません。このようなシーンではなるべく追い越しを避けて、交通の流れに乗って走行するだけ。

あと、先頭車両は上り坂でも、なるべく一定の速度を保ちたい。上り坂で一旦、車速が落ちると、元の速度に戻るまでに平地走行以上の燃料を消費します。

そして、帰りは下り坂の連続のため、エンジンブレーキを併用することで、ほとんど燃料供給がカットされます。

下り坂では瞬間燃費計が40km/l以上を示す時間が長くなり、燃費はどんどん良くなっていきます。

エコ運転その2 – 先の信号機を見る

赤信号、信号機

自動車の運動エネルギーを利用すると、意外と燃料の節約に繋がります。運転中はなるべく遠方を眺めながら、2つ先の信号機を視野に入れておきます。

多くの歩行者用信号機は前方の信号機より先に「」から「」へ変わります。

前方の信号機が「」でも、歩行者用信号機が「」ならば、その時、アクセルペダルから足を離すだけ。これで、アクセルOffによる惰性運転が増えて、エコ運転になります。

以上のように、巡航と減速側に重点を置く運転を心掛けるようになると燃費が良くなります。あと、副産物としてブレーキパッドの摩耗が少なくなります。

以上のような運転はドライバーの心に余裕ができるため安全運転に繋がり、一石二鳥です。

エコ運転その3 – ハイブリッドカーのエコ運転

エコ運転1

トヨタのハイブリッドカーの燃費を良くするには、回生ブレーキを上手く活用することで燃費を稼ぐことができます。

ハイブリッドカーは運動エネルギーをモーターで回収&発電して、メインバッテリーを補充電します。トヨタのハイブリッドカーのブレーキペダルを軽く踏んでいる時、回生ブレーキが作動します。

この時、ブレーキパッドはほとんど動いていません。

つまり、軽くブレーキペダルを踏む時間を長くすることがハイブリッドカーの燃費向上のコツ

なお、非ハイブリッドカーでこのような運転操作はブレーキパッドの摩耗を早めます。長い下り坂では、フェード現象や最悪べーパーロック現象を招くため要注意。

あくまで、これはTOYOTAハイブリッドカー限定のテクニックです。

エコ運転2

帰宅時、ハイブリッドカーのメインバッテリーが十分に充電されているならば、自宅のガレージや駐車場の手前でEVスイッチをONにします。

あるいは、アクセルコントロールでEV走行を維持します。

次回のスタート時、暖機運転が始まり、メインバッテリーは自動で補充電されます。もしこの時、メインバッテリーがフル充電に近いと、ガソリンは暖機だけに使用されるのです。

なお、ハイブリッドカーのEVモードを頻繁に使用すると、メインバッテリーへの負担が大きく、バッテリー劣化が懸念されます。

出先で駐車場を探している時や細い路地を低速で走行している時、状況に応じてEVモードを選択することでハイブリッドカーの魅力を更に引き出すことができます。

注意点

注意点として、エンジンをあまり回さないエコ運転ばかりしていると、エンジンそのものが眠いエンジンと化します。

眠いとは、アクセルペダルの踏み込み量に比例して、エンジンがスムーズに回らないという意味。

また、短距離走行の繰り返しは車にとって過酷。

エンジンに熱が入りにくく油温が上がらないため、エンジン内部が結露してエンジンオイルの劣化が進みやすくなります。時には、場所と交通の流れをわきまえて、エンジンを高回転まで回したいものです。

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