電子商店街/電子ショッピングモールが抱える複数の大きな問題

ご存知、Yahoo!はポータルサイトとして広告収入やヤフーショッピング、ヤフオク!の手数料が大きな収益源です。

アマゾンが扱っている本やDVD、CDは再販制度に守られた商品であるから定価販売となり、価格競争の影響を受けません。電子商店街が大きく成長できた理由は次のとおりです。

 

電子商店街が成長した背景

[テナント側の事情]

・インターネット通販の黎明期は自社でショッピングページを構えても集客が難しかった。

・ECの黎明期はカード決済を導入するには専用のショッピングカートと契約が必要であった。

・インターネットで商品を売るノウハウが乏しかった。

 

[電子商店街側]

・サーバーの容量を増やしていけば、無限とも言えるほどテナント数を増やしていくことができる。

・テナントの売り上げに対してロイヤリティを課金できる。

・電子商店街は規模を拡大しても、バーチャルな世界であるからリアルショッピングモールのような大きな設備投資は不要。

 

多くの会社が電子商店街へ出店する目的は、その集客力。

リアルの世界では人通りとビルの集客力は場所によって大きく異なります。人が集まる場所の物件は家賃も保証金も高いですが、少ない場所では当然安くなります。

電子商店街の場合、いくつかの出店プランが用意されています。

電子商店街の月額費用はリアルのショッピングモールに比べれば安いです。また、テナントとして入居する際の保証金に相当する費用は不要です。そのような理由もあり、電子商店街は短期間で成長を遂げてきました。

 

埋もれるテナント

電子商店街/サイバーモール

 

しかし、電子商店街のテナントが増えすぎると、多くのテナントが埋もれてしまいます。

 

上の画像は某電子商店街の検索結果。

タイヤ関係のキーワード「ミシュラン エナジーセイバープラス」で検索すると、ページ下段に(全8,857件)と表示されました。1ページあたりに表示される件数は40から50。

具体的な商品名で検索しても、これだけの件数。もちろん、全てのページをクリックして閲覧なんてことはできません。

そこで、更にタイヤのサイズを入力して検索結果を絞っていきます。

 

電子商店街、サイバーモール

 

具体的なタイヤサイズを加えたキーワードは「ミシュラン エナジーセイバープラス 195/65R15」。

このキーワードで検索すると、ページ下段に(534件)と表示されました。

それにしても「534件」。

ここで、電子商店街のユーザーは更に詳細な検索をかけて「安い順」や「新着順」で商品を調べていくことになります。

出店しているテナントは多くの同業者の中でプロモーションを仕掛けていくには、電子商店街の中で更に広告費を支払う方法があります。この広告活動無しでは、埋もれたままの状態が続きます。

 

これは、リアルショッピングモールでは有り得ないこと。運営方法にもよりますが、テナントの売り上げの少なくとも10~20%は電子商店街への支払いとして毎月消えるのが現状でしょう。

 

NB商品の価格競争

問題はそれだけではありません。ライバル企業が増えれば、それだけ価格競争が激しさを増します。

家電、パソコン、通信機器、スポーツ用品、アウトドア用品、サプリメント、自動車部品、自動車用品、バイク部品、用品等のナショナルブランド製品で型番が与えられている商品は、検索BOXで簡単に価格を比較することができます。

勿論、最安値商品や送料込の価格がそれに近い商品に注文が集まります。そこで、各テナントはセット販売やポイントを上手く活用して価格競争に巻き込まれない努力も必要とされます。

 

電子商店街は、ある一定の規模までならば、テナントにもメリットがあるはずです。ECショッピングモールの適正規模というものがあると思います。

しかし、電子商店街の規模があまりにも巨大化すると、お客さんとしても使い勝手が悪くなり、探し物が見つかるまで時間がかかるようになります。ECモール内の検索機能がいま一つなら尚更です。

 

リアルのショッピングモールならば、女性の場合はウィンドーショッピングをしながら、ぶらぶらと楽しむことができます。しかし、パソコン相手の検索は、機械相手の無機質な作業です。

パソコンが苦手な人は、電子商店街の中で何が何だかよく分からず、目的の商品を見つけるのに手こずってしまうことでしょう。事実、パソコンスキルが高い人でも、某電子商店街で思うような検索結果が得られないことが多々あります。

実際、知名度のある会社や販売実績のある会社の陰で、埋もれている会社の撤退が続出することになります。つまり、電子商店街は常時、新規でテナントを探し続けているのが実情です。

 

テスト的に出店したい

電子商店街に出店したからといって、すぐに売り上げが上がるとは限りません。専門業者に自社のトップ画面を作成してもらうだけで、相応の費用がかかります。他に、店内の各ページへのリンクボタンや店内専用のバナー広告も必要です。

勿論、鮮明な商品写真が必要ですし、特にアクセサリー類やアパレル全般、食品の分野では美しい写真が必須となります。写真次第で売り上げが左右される商品もあります。

 

1つの方法として、予め電子商店街への出店期間を定めておきます。そのテスト期間内の結果次第で出店を継続、または撤退を決めればいいでしょう。

確かに、電子商店街の専任サポート担当者は、その分野の情報を豊富に持っています。しかし、サポート担当者はあくまで電子商店街の世界には精通していますが、物販の実務経験を積んできたプロとは立場が違います。

よって、担当者から情報を入手しながら、それらをよく咀嚼して上手く活用していく必要があるでしょう。

 

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